シール・ラベルの話(1)

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mark N001 シール原紙の選定 goto top

  シールを発注する際、どの様なシール原紙(紙・フィルム素材)を指定すれば良いかは迷うところです。
  実際には、印刷会社に相談(問合せ)すれば済むのですが、以下のことを聞かれると思います。

  (1) シールを何に貼りますか、貼る相手の材質は何ですか?
  (2) 貼る相手の表面や形状を教えて下さい?
  (3) 永久接着ですか、再剥離ですか?
  (4) シールはどの様な環境下で使用されますか?
  (5) ラベリングマシンを使いますか?
  (6) 後からシールに印字したり書き込んだりしますか?
  (7) 他に何か品質要求がありますか?

※ シール原紙となるタック紙は、(1)表面基材、(2)粘着剤、(3)セパレーター(剥離紙)の3つの部分に分けられます。
   印刷会社は、お客様の用途や品質要求、ご予算に応じて、最適なシール原紙をご提案します。


mark N002 シールの表面基材 goto top

  この表面基材の表面に最終製品として必要な表示が印刷されます。
  多種多数の表面基材がタック紙として用いられていますが、印刷効果や印刷適性などを考慮に入れると、
  頻繁に利用されるタック紙は、ある程度限定されます。以下で一般的なものをご説明します。

  
<紙素材>

   印刷会社からの見積書にある、”原紙:ミラーコートタック紙(73)” とある(73)は、印刷用紙特有の重量の表示で、
   四六判(788o×1091o)1000枚を一連量としたkg表示です。

   ○上質紙 
   シール・ラベル用では55kg〜90sのものが用いられます。後から、印字したり・インクジェットプリンター等で書き込む
   場合は最適ですが、上質紙は水分に弱い点が弱点です。水に濡れない環境下のシールで使用されます。

   ○アート紙 
   シール・ラベル用では73sのものが用いられます。コート層が厚いため、平滑性及び光沢に優れ印刷適性が高い原紙です。
   主に、商品の顔となる商品シールに、高級感を出す狙いで使用されます。

   ○ミラーコート紙(コート紙
   シール・ラベル用では73sのものが用いられます。アート紙との差はほとんど感じられません。アート紙と同格です。
   強光沢のコート紙であり、最も利用されることの多い原紙です。
   
   ○ホイル紙 
   やや値段は高いですが、ピカピカのシールは、商品によっては効果があります。
   
   ○その他
   クラフト紙、和紙、色上質紙、色ミラーコート紙、感圧・感熱記録紙、蛍光紙、などがあります。またどこかでご紹介しましょう。

  
<フィルム素材>

   フォルム素材のものは、重量ではなくフィルムの厚みで区別されます。
   ”原紙:透明PET(#25)” とあるのは厚さ25μのことです。
   
   ○ユポ(合成紙)
   選挙用ポスター等に使われているユポ紙は、紙素材ではなく、プラスチック原料(PP:ポリプロピレン)のフィルムです。
   紙素材と違って、破れにくく、水にも強いのが特徴です。60〜120μの厚みのものが一般的です。

   ○ポリエステル・テトロン(PET)
   透明、白、金、銀の種類があり、代表的なフィルム素材の原紙です。
   ポリエステルもテトロンも、PETフィルムを素材としています。
   従いまして、透明ポリエステル=透明テトロン=透明PET は同じシール素材です。

   ○ポリプロピレン(PP)
   オーバーラミ(PP貼り)用として広く用いられています。

   ○ポリ塩化ビニル(PVC)
   可塑剤の添加量によってフィルムの柔軟性を調節できます。耐候性・耐熱性等の特性を持つフィルムがありますが、
   最近では、環境上の問題(ダイオキシン)から、PVC素材は避けられる傾向が強いです。


mark N003 シールの粘着剤 goto top

  粘着剤には、基材別にそれぞれの用途に合った各種の粘着剤があります。具体的には印刷会社に相談(問合せ)下さい。
  
普通粘着、強粘着、トイシ用、冷凍用、再剥離、弱粘着、繊維用、溶剤強粘(ボイル)など。


mark N004 シールのセパレーター(剥離紙) goto top

  セパレーターはシールの使用時に剥がしてすてられるものですが、粘着剤を塗工し、粘着剤を保護する役割があります。
  光透過形検知器を用いたラベリングマシンを使う場合は、グラシン紙のセパレーターが使用されます。


mark N005 シール原紙の価格比較 goto top

  印刷会社が購入するシール原紙の、一般的に使われる粘着タイプで、凡その価格比較を以下にご紹介します。
  ご参考になりましたら、幸いです。しかし、
この価格差がそのままシール代金の差になることはありません。
  
シール原紙の費用は、シールの製造コストの一部分に過ぎないからです。
  価格差は、A:B:C:D:E=2:3:4:6:8 の比率です。和紙(雲龍)は上質(55)の約3倍です。

  (A) 上質(55)、アート(73)、ミラーコート(キャストコート)(73)
  (B) クラフト(白・茶)、色上質、透明PET(16)
  (C) ユポ(80)、透明PET(25)
  (D) 和紙(雲龍)、透明PET(50)
  (E) 蛍光紙、透明PET(100)


mark N006 なぜ1000枚と2000枚の見積り金額に差がないの? goto top

  シール代金の見積りは、2000枚の代金が1000枚注文場合の2倍にはなりません。
  この点がカラーコピーやプリント出力など、1枚当りの単価が決まっていて、代金=単価×枚数 の計算とは大きく異なります。
  シールやラベルを含む印刷物の計算は、単価=代金÷枚数 となります。つまり、代金が先に計算されるのです。
  
紙代・インキ代等の比例的コストに比べ、シール印刷機を稼動させたり、加工するときの固定的コストが大きいためです。
  また、1000枚と2000枚では、印刷会社にとってはシールを製造する時間や手間がほとんど同じということもあります。
  一般的に、シールやラベルは、ある一定数量までは注文枚数が大きいほど単価が極端に減少します。


mark N007 シールやラベルをもっと安くする方法は? goto top

  印刷会社と非常に懇意になり、沢山注文をしてお得意様向けの特別価格にしてもらうという方法もありますが、
  印刷手法上では、『版替え』と『付け合せ』の方法があります。場合によっては安くできます。
  しかし、印刷会社によっては受け付けないかもしれません。

  
■版替え
  寸法と色数が同じ版のラベルが、例えば3種類あったとします。この場合、3種類を別々に5000枚の注文をするよりも、
  3種類の版替え指定で、15000枚の注文をした方が代金が安くなる場合があります。

  
■付け合せ
  色数が同じ場合、3種類のラベルを1枚の版に集約して製版し、5000枚の印刷(通し)で15000枚分の印刷を行います。
  多少、製版代や印刷用紙のコストがかかっても、別々に5000枚の注文よりも安くなる場合があります。
  しかし、この方法は、3種類のラベルのうち、1種類だけを印刷することはできない
  (同時に3種類分が印刷されるため)ので、後日リピート注文をすれば逆に高くなります。充分な注意が必要です。

  
■シールデザインの決定前の節約
  寸法: 寸法(=面積)を小さくする。シールの形状を複雑なデザインにしない。
  色数: 色数を減らす。色校正をしない。
  原紙: なるべく安い原紙を使う。なるべく薄い原紙を使う。粘着剤を一般タイプにする。
  加工: PP貼りなどの加工をやめる。
  印刷: オフセット印刷よりも凸版(輪転)印刷にする。凸版印刷でも印刷可能なシールデザインにする。
  枚数: 注文枚数を多くすればするほど、シール単価は下がります。


mark N008 シールの印刷方法 goto top

  印刷会社では、お客様の品質要求とシールのデザイン原稿から判断して、適切な印刷方法を提案します。

  
■凸版印刷(平圧式)方式
  真鍮や銅、亜鉛、マグネシウムなどでシール版を作り、判子を上下にペタペタ押すイメージで印刷します。
  版面全体が同時に加圧されて印刷されます。これは線状で加圧印刷されるされる場合と違い、
  ベタの多い印刷には不向きです。また、多色刷りや写真諧調も網点を印刷できません。
  比較的単純なシールの、小ロットの印刷に向いています。

  ■凸版印刷(輪転式)方式
  シール印刷ではシーリング印刷とも呼ばれます。とにかく、印刷スピードが非常に速いので、UVインキが使われます。
  シールを安く作る点ではベストですが、印刷精度はオフセット印刷よりも劣ります。
  シール原稿によっては、色ムラや線ズレ等が発生する危険性がありますが、
  場合によっては、オフセット印刷に全く見劣りしない出来栄えになることもあります。
  ロール形式のシール原紙を使うので、あまり大きなシールを印刷することはできません。

  
■オフセット印刷方式
  一般のオフセット印刷と同じ方法で、シール原紙に印刷します。印刷精度や出来栄えの点ではベストな印刷方法です。
  シート形式の原紙を使いますので、大きな寸法のシールでも大丈夫です。
  セパレーターにスリッター(切れ目)を入れることも容易にできます。
  但し、オフセット印刷の場合は、長方形以外の形状の場合、シールの形状に合わせて打ち抜くための
  ”抜き刃型”を作製する必要があり、注文枚数が少ない場合は、どうしても割高なコストとなってしまいます。

  
■シルク印刷方式
  昔は絹糸で織った紗を使ったのでシルク印刷と呼ばれますが、最近では単にスクリーン印刷ということが多いです。
  印刷方法は孔版印刷で、年賀状印刷で使った、”プリントゴッコ”のイメージです。
  シール印刷の場合では、多種小ロットの印刷に向きます。インキの盛りが多いので、耐久性に優れています。
  枚数が多くなく、過酷な使用環境下で使われる目的のステッカーやシールなどに向いています。


mark N009 完全原稿って何? goto top

  ■印刷会社にデザインを任せないで、自前のデザイン原稿を印刷会社に支給する場合は、完全原稿に限ります。
  完全原稿とは、そのままの状態で印刷会社が製版作業に取り掛かれる原稿のことです。
  具体的には、
イラストレーターのアウトライン済み原稿です。
  MO、CD-R、メールで原稿ファイルを送って下さい。(※弊社の場合)
  時々、文字部分のアウトラインのかけ忘れ原稿が見られます。
  イラストレーター => 文字 => アウトラインを作成 の手順で、文字のアウトライン化をして下さい。
  
  ■JPEGやGIF画像、WORDの画像などは印刷用のデータではなく、完全原稿でもありません。
  従いまして、これらの画像データの場合は、印刷用データに作り換える必要があります。
  デザイン原稿については、事前に印刷会社と充分に相談してください。


mark N010 シールの出来栄え goto top

  ■シールやラベル等の印刷物のご注文のほとんど全てがオリジナル印刷、つまり特注品とお話しましたが、
  印刷会社にとっても、初めての印刷物の作成となります。従いまして、毎回100%の出来栄えを目指した
  としましても、全部の注文が100%にはならないのは、避けることの出来ない事実です。

  ■印刷会社では、刷り上った印刷物の出来栄えを評価(検品)します。
   ○レベル1: 100%会心の出来栄えで、予想よりも綺麗に刷り上った。
   ○レベル2: 予想通りの出来栄えで、特に問題点がない。
   ○レベル3: 同業者がルーペで見ると、多少の問題点を指摘されそう。しかし、納品先からのクレームは来ないレベル。
   ○レベル4: 納品先からのクレームが来る確率が高い。

  ■上記のレベル1〜3が商品として出荷・納品されます。(※弊社の場合)
    レベル4では、印刷会社は直ちに刷り直しをします。(※弊社の場合、どうしても、年に数件は発生します。)
    印刷会社が提示する納期は、刷り直しのリスクも考慮しています。

  ■印刷会社としては、できるだけ無理なデザインでの、無理な印刷は避けたいところです。
    イラストレーターの原稿やプリント出しの画像と、4色網点での印刷物は、全く別なものです。
    印刷会社は、デザイン原稿を眺めて、リスクの低い方法を考えます。


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