アート紙 | ケミカル・パルプを主体とした上質紙の両面にクレー(白土)、白色材などを塗布し、光沢仕上げした高級印刷用紙。塗料塗布量が片面1uあたり20g前後のものをいう。表面の光沢に優れており、美術品や写真集、雑誌の表紙、カレンダー、ポスター、パンフレット、カタログ、ラベルなどの高い印刷効果が求められるものに利用されている。 |
網点 | カラー印刷物に見られる大小の点のこと。小さいので肉眼では見えにくく、ルーペで確認する。 |
色校正 | カラー印刷物の仕上りを事前に確認する作業。又は、確認するための校正刷りのこと。 ■従来の色校正 フィルムを出力し、実際に刷版をして4C色インキを使い、平版印刷をする。このとき、実際の紙で色校正をすることを本紙l校正といい、実際の印刷機を使う場合は本機校正という。材料費や人件費、時間などがかなりかかるが、校正の仕上りは実際の印刷に近いものになる。色に厳しいフォトカタログや飲食関係の本、ファッション雑誌、カタログ等は、この方式の色校正を使う。また、特色(金や銀を含む)等を使用した印刷物も、下記のコンセンサスやDDCPでは出ないのでこの色校正を行う。 ■簡易校正機のコンセンサス フィルムを使い、網点を読み取ってCMYの3色で校正紙を出力するシステムのこと。スミ版(ブラック版)がCMYの3色混合で表現されるため、オーバープリントの確認ができない(最近ではCMYK4色のコンセンサスもある。)。コンセンサスのインキは色校正のものとは違うので、色の仕上りは色校正ほど期待できない。しかし、色校正よりは費用や時間がかからないので、多く利用されている。 ■DDCP フィルムを出さずに色校正をデータから直に出力するシステム。デジタルな上、色も4Cで表現できるので、かなり実際の色校正に近い仕上りが期待できる。費用も時間も節約できる。CTPシステムに対応した校正システムである。 |
色分解 | カラー原稿を印刷するために、原稿の持っている色を、ブラック(墨)、イエロー(黄)、マゼンダ(紅)、シアン(藍)の4つの色に分けること。 |
印刷インキ | 印刷に使われる着色剤のこと。顔料をビヒクルの中に練りこんで細かく分散させている。適当な粘りと硬さをもっている。 |
オフセット印刷 | 印刷機の版面からインキを弾力性のあるブランケット(ゴム・布など)に移して(Off)から印刷用紙に印刷する(Set)印刷方法。 |
表刷り・裏刷り | ■表刷りは、紙、アルミ、着色プラスチックなど不透明なフィルムには表面に印刷する。 ■裏刷りは、フィルムの裏面に印刷すること。透明なフィルムに裏印刷をして貼り合せると、インキがフィルム間に挟まれ、インキの脱落や移行がなく衛生的である。フィルムを通して表面から見ると、透明感と光沢があり綺麗に見える。 |
紙加工 | 印刷された紙の表面に光沢をつけたり、印刷面を保護するための加工のこと。 ■樹脂コート(ビニル引き) 樹脂を有機溶剤に溶解させて、表面に厚塗りコーティングしたもの。従来はビニル引きが使われたが、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂が環境上の問題があるため、他の樹脂コート又はフィルム貼りに移行した。 ■プレスコート 樹脂コートした紙を、鏡面に仕上げた鏡面板と熱プレスして強光沢に仕上げたもの。 ■フィルム貼り(PP貼り) 印刷した紙の表面にプラスチックフィルムを接着剤で貼り合わせたもの。従来はポリ塩化フィルムが一般的であったが、環境上の問題があるため、ポリプロピレン(PP)フィルムを用いることが多い。PP貼りとはこれを指す。品質的にはプレスコートよりさらに光沢性、平滑性、柔軟性に優れている。 ■エンボス加工 金型で型をつけたり、浮き出したりする加工のこと。 ■箔押し加工(ホットスタンプ) ポリエステルフィルムの表面にアルミ蒸着した金ホイルを用い、印刷物上に熱転写した強光沢の加工のこと。印刷時に行う金刷り(アルミ粉に着色したインキを使用)や、印刷後に行う金付け(真鍮粉を吹き付ける)より豪華で高級感が出る、高価な加工である。 |
完全原稿 | 印刷に必要な写真・図版・版下等が揃い、必要な指示もされている原稿のこと。そのままの状態で印刷会社が製版作業に取り掛かれる原稿。 |
カンプ | 版下を作る前に、デザイナーなどが作製する印刷物の完成予想図のこと。 |
顔料 | 色を発色する粉末状のもので、水や油に溶けないものを顔料、溶液に溶けるものを染料と呼んでいる。 |
金赤 | 慣用色名のひとつで、チラシの価格やタイトル等、特に目立たせる場所によく使われる。主にマゼンダ100%+イエロー100%で表現されるが、印刷会社などにより金赤の定義が異なる場合があるので注意。 |
クラフト紙 | 包装用紙のこと。晒(さらし)と未晒(黒褐色)があるが、晒クラフトは小売店の手提げ袋や封筒などの事務用に、未晒クラフトはセメント袋・肥料袋などの重袋用に利用される。 |
毛抜き合せ | 同一版面を印刷機に2回以上通して、全くズレが生じないように印刷すること。。 |
見当 | 2色以上の多色刷りが必要なときに、絵柄の位置を合わせる目印にする細い線のこと。その目印は、虫のトンボに似ていることから、”トンボ”と呼ばれる。 |
校正 | 版からの試し刷りを原稿と照合して、不適切な箇所を修正する作業のこと。 |
コート紙 | アート紙と同様に作られた印刷用紙。塗料塗布量が片面1uあたり10g前後のものをいう。用途はアート紙と同様で、カラーページやグラビアページのほか、チラシなどにも利用される。 ■グロス系・マット系・ダル系 一般の塗工紙はグロス系で、白紙の光沢及び印刷光沢が高いほど高級グレードとされているが、光沢を抑えて目に優しく読みやすくしたマット系やダル系の塗工紙があり、最近は人気が高い。 ■キャストコート紙(ミラーコート紙) 紙の表面を鏡面仕上げした紙。アート紙よりも強光沢の表面を持ち、平滑性の優れた高級印刷用紙。高級美術書や雑誌の表紙に利用される。 |
上質紙 | 化学パルプ100%の非塗工紙。表裏の紙質の差が少なく強度はあるが艶はない。上質紙は印刷用紙中最も汎用性に富む品種である。しかkし、塗工紙の様な特徴がないため、印刷効果が必要とされる場合には、塗工紙が利用される。書籍、教科書、商業印刷に利用されている。また、色上質紙は、表紙、目次、見返し、カタログ、健康保険証なとに利用されている。 |
CEPS | ■Color Electronic Prepress System 製版工程の全て、またはその一部を製版の材料となる版下、画像をデジタルデータとして処理する専用システム。 |
CTP | ■Computer to Plate デジタルデータからフィルムレスで直接刷版を作る印刷方法。 ■Computer to Print オンデマンド印刷で、デジタルデータからそのまま印刷物として出力する。電子写真方式とインクジェット方式が主力。 ■Computer to Press オンデマンド印刷で、デジタルデータを直に印刷機上で焼き付ける。オフセット印刷のため高品質が期待できる。 |
CTS |
■Computerized Typesetting System コンピュータを使って大量の文字処理をプリプレスシステム。 |
セット | 紙へのビヒクルの浸透が止まった状態のこと。指で軽く触ってもインキは付着しないが、完全に乾燥・固化したということではない。このセットに続いて酸化重合乾燥が進行する。印刷が終わり紙が積まれている間にも、シート間の微小な隙間に存在する空気中の酸素によってインキの中に含まれる樹脂の酸化重合が進む。 |
セパレーター | シール(タックラベル)で使われている剥離紙のこと。”ウラセパ”と呼ばれる。 |
背割り(裏スリ) | シールを商品に手作業で貼るときに、手で剥がし易い様に、商品に正確に貼り易い様にセパレーターにスリッターや切り口を入れること。”裏スリ”とも呼ばれる。 |
タック紙 | 感圧性接着剤付印刷用粘着紙と印刷用粘着フィルムの総称。要するに、シールラベル印刷で使われる原紙のこと。従来のガム糊(水びき、郵便切手に使われている)に代わるもので、ラベルの貼付や剥離が容易にできる。 |
通し | 印刷機の印刷回転によって、印刷を行う回数をいう。 |
流れ目 | 紙を構成する繊維の向きのこと。抄造工程で形成される。紙の長辺と流れ目が平行な紙を縦目の紙といい、流れ目と直角の紙を横目の紙という。紙は流れ目に沿って裂け易く、横方向には裂けにくくなる。紙の流れ目は、印刷・加工・包装において充分注意しなければならない。 |
箔押し | 印刷物を美しく飾るために、薄い金属箔を金版(銅、真鍮、マグネシウム、亜鉛版)で押し付けて加工すること。 |
版下 | 印刷製版するため、直接製版の原稿となるものを指す。 |
ビヒクル | 印刷インキの主成分のひとつで、顔料に塗り込むためのワニス類のこと。。 |
PP貼り | ラミネート加工のひとつで、ポリプロピレンが素材のラミネート専用フィルムに粘着剤を塗布したものを張り合わせる加工のこと。オーバーラミとも呼ばれる。色々な種類があり、シール表面の光沢を出すための艶出し、可読性を高めるための艶消しなど、高級感(平滑性・柔軟性)や耐久性(耐候・耐水・耐摩擦等)の向上に効果がある。 |
ホイル紙 | 模造紙に7〜15μのアルミ箔を張り合わせた加工紙。金属光沢をもち、印刷効果に優れている。また、アルミ箔の酸化を防止するためにアルミ表面にコート層がある。コート層に着色を添加することより、銀色以外に金、銅などの着色が可能となる。 |